脊柱管狭窄症とは?専門家が教える原因と対策法
脊柱管狭窄症の原因と対策を専門家が解説
脊柱管狭窄症は、背骨の中にある脊柱管という神経が通る空間が圧迫されることで生じる症状です。この疾患について、専門家の井本晶先生が解説します。
この記事を書いた人:作業療法士 井本晶先生
精神科作業療法士として病棟やデイサービスにて働いております。
今年で3年目です。
◆勤務地:佐賀県
井本晶先生は、精神科作業療法士として病棟やデイサービスにて働いております。佐賀県にて、対象者の立場に立ったケアを心がけています。
脊柱管狭窄症とは?
人の背骨の中には脊柱管という重要な神経(脊髄)が通っています。加齢などにより背骨やその周りの靭帯が変形すると、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じます。
狭窄症の種類
脊柱管狭窄症には以下の三つの型があります。
①馬尾型
脊柱管の中心部分が圧迫され、排尿障害や下肢のしびれ、冷感がみられます。
②神経根型
脊髄から分かれた神経が圧迫され、下肢や臀部に痛みが現れます。片側のみの症状が一般的です。
③混合型
馬尾型と神経根型の両方の症状が現れます。
狭窄症の症状
神経の圧迫による主な症状は以下の通りです。
- 臀部、下肢のしびれ: 神経の圧迫によりしびれが生じます。
- 間欠性跛行: 長時間歩くと下肢に痛みやしびれが生じ、休むことで症状が和らぎます。
- 陰部の違和感: 排尿や排便がしづらくなることがあります。
狭窄症の原因とは
狭窄症の主な原因は加齢と生活習慣です。
- 加齢による骨や靭帯の変形: 加齢に伴う変形が狭窄症の主な原因です。
- 腰椎椎間板ヘルニア: 椎間板がはみ出し神経を圧迫することが原因となります。
- 骨粗鬆症: 骨がもろくなることで変形し、狭窄症を引き起こすことがあります。
狭窄症の治療法
- コルセットの使用: コルセットを装着することで姿勢を制限し、痛みを和らげます。
- 薬物療法: 血行を促進する薬、痛みを和らげる薬などを使用し、症状を抑えます。
- 運動療法: しびれなどの症状が出た際に前かがみになる体操などを行うことで症状を和らげます。
- 手術: 症状が悪化し、歩行が困難になる、日常生活が送れなくなる場合には手術が必要です。
自宅でできる狭窄症に効くストレッチ
- 仰向けで足を抱え込むストレッチ
- 仰向けの体勢になり、膝を両手で抱え込んだ状態になります。次に膝を顔の近くまでグッと近づけましょう。これをゆっくり10回ほど繰り返します。
- 仰向けで腰をひねるストレッチ
- 仰向けの体勢になり、両手を軽く広げ、足を反対の方向にひねります。このストレッチのコツは足だけでなく、腰から大きくひねることです。左右10回ずつ繰り返します。
2、仰向けで腰をひねるストレッチ
狭窄症の人が気をつけるべき生活習慣
1、歩くときは少し前傾姿勢になる
狭窄症が悪化する主な原因は神経が圧迫されることです。腰や背中をピンと伸ばすと神経が圧迫されやすくなります。歩く際には前傾姿勢を意識することで下肢のしびれなどの症状を抑えます。
2、腰を反らないようにする
高いところにある物をとるときには、手を伸ばして腰を反らないように注意しましょう。物を取るときには台を使い、腰を反らなくて済むような工夫をします。
狭窄症を予防する方法
1、適度に腰、背中を動かす
デスクワークなどで長時間座ったままの姿勢でいると腰に大きな負担がかかります。一定時間作業したら席を立って歩くなど定期的に姿勢を変えることを心がけましょう。
2、腰に大きな負担をかけない
重い荷物を持つときには注意が必要です。腰だけを曲げて荷物を持とうとすると腰に大きな負担がかかります。膝をしっかり落として、背中全体と下半身で持ち上げるように意識します。
骨格を整えることで狭窄症の予防に役立つストレッチルーネ
ストレッチルーネは、首や肩周りの筋肉をほぐし、姿勢を正しく保つのに役立ちます。日常生活での負担を軽減するためにおすすめです。