どうしても枕が合わない理由~首に原因がある?というアプローチ~

枕が首に合わないのではなく、首が枕に合わないというアプローチ

オーダーメイドの枕を購入し、適正なはずの高さのはずなんだけど、高すぎたり低すぎたり感じて何だかしっくりこない。首や肩の疲れが取れない。寝つきが悪い。息がのどに詰まる気がする…などの思いを思いをしている人は意外に多いのではないでしょうか?

私は、過去に枕が合わず何度も枕を買い替えました。結果としてどれもしっくりくる枕と出会うことが出来なかった経験から、その原因は別のところにあると考えたことから、別の視点からのアプローチを探ってみました。

結果として、枕が私に合わないのではなく、私の首が枕に合わないということだということではないかという結論に至りました。それらの理由を私の経験に沿って説明します。

皆さんは、寝つきが浅い、よく眠れないから疲れが取れない、寝ていても肩や首のコリが取れない、枕の高さに違和感を感じる…。そのような体験をすると寝具や枕が自分に合っていないのだと考えたことはないでしょうか?

私は、特に枕の高さが合っていないことが疲れが取れない、よく眠れない原因だと思ってしまいがちで、何度も枕を買い替えたり、首の形状を測定しオーダーメイドの枕を購入したりしました。ですがどうしても枕の高さにしっくりこない。

ある時、私はストレートネックだということもあり、木枕を購入したことがあります。かまぼこ状の枕で頚椎の前弯に沿って首を支えるという枕です。木枕を試してみたところ、高さが高いため首への圧迫感が強くとても長時間使える枕ではないというのが率直な感想でした。

どんな枕も私の首には合わない。そんな思いでいつしか枕を探すことを諦めて、低反発枕を何となく使っていました。

それから10年以上の月日が経過したころには、慢性化した首こりや肩こりがますます酷くなってきました。ただ座っているだけでもコリがとれない。

そんな日常の中で肩こり解消を自分なりに考案していました。それが現在の商品「ストレッチLOONA」になるのですが、その頃は「頸椎牽引肩こり解消くん」(※肩こり解消というところが薬事法に触れるかもしれないネーミングだったのでその後に商品名変更)という単純なネーミングで試作タイプの商品をモニター販売していました。もしかしたらご存じの方もいるのではないでしょうか。

この商品は首の筋肉骨格バランスを整えるというコンセプトで作られたもので、私自身がモニターとして何度もストレッチ法を試し、現在のLOONAストレッチの基となるストレッチ法を提案するために、ストレッチを試行錯誤しながらストレッチ法をまとめていた時でした。

首のバランスを整えそれを維持するには、起床時、昼休み、就寝前と1日3回のストレッチをすることの必要ではないかと考えそれを実践していた時のことです。

就寝前には、LOONA前弯ストレッチを行うのですが、ストレッチ法を編集時には、頻繁に前屈ストレッチ、側屈ストレッチを行っていて首まわりの筋肉はよくほぐしていました。

前弯ストレッチをしたところ、曲面と頚椎の前弯がフィットして、程よく伸ばされながら首の前弯に沿って支えるLOONAがとても気持ちよく感じたのです。

そのまま眠ってしまい朝までよく眠れました。朝目覚めたときに、「首が枕に合わなかったのだ!」ということに初めて気づいたのです。

枕が首に合わないのではない、首が枕に合わない。それがどういうことかというと、首や肩のコリの原因は、筋肉の血流が悪い、筋肉が緊張している、痛みによる交感神経が優位な状態になりやすい、そのような状況では、首まわりの筋肉が固くなり、頚椎全体の柔軟性がなくなっていることから、枕を当てても圧迫感が感じやすくなるのです。

首まわりの筋肉をほぐしリラックスした状態であれば、首が枕に合うのです。極端な話だと枕がなくても熟睡できるのです。子どもは枕など無しですごい寝相で熟睡していますよね。首まわりの柔軟性があれば枕高さ等を問題としないのが理解できると思います。

とはいうものの加齢とともに筋力の低下は避けられず、姿勢の歪みが出やすくなるのも事実であることから、自分の姿勢の歪みを正確に把握し、姿勢の歪みを補正するストレッチを行うことが大変重要なことになってきます。

私は姿勢の歪みをモールディング(正しい姿勢のクセ付け)という手法で補正するようにしています。脊柱の歪みでいうなら前後左右の歪みに対しては、歪みの反対方向へのストレッチを行うというものです。

首まわりに関しては、首の前傾(前後の歪み)、頭が傾く(左右の歪み)、首の捻じれ(前後左右の複合的な歪み)などの歪み方があると考えています。首の捻じれは、首の戦後左右の捻じれが同時に発生しているため、どちらの方向にストレッチをどのようにすればいいのだろうか!?と思われるのではないでしょうか。私も当時はこれについてあれこれ思案していまいしたのですが、牽引ストレッチという手法でを考案しました。

牽引ストレッチというは、どういうものかと言いますと、首を引っ張った状態から左右の可動域を測るものです。左右の可動域を測ることで捻じれの方向を把握することができます。前後の歪みはといいますと、人間は概ね前かがみに歪み易いことから前傾の歪みであると推察されます。

首の捻じれに対しては、後ろ方向と可動域の狭い方向へのストレッチをすることで、前後左右の捻じれの反対のモールディング(正しいクセ付け)が行えるのです。

ただ体の歪みは首に限ったものではないので、全身のストレッチを行うことも重要となってきます。首だけのストレッチばかりを行うことで全身のバランスが整うことは難しいと理解しておく必要があります。

先に述べた牽引ストレッチ法は、現在ではLOONAストレッチとして編集しています。今回は「首が枕に合わない」をテーマに記載していますので、LOONAストレッチについては、別の記事で紹介していきます。

もし、あなたが枕が合わないとお困りであれば、LOONAストレッチをお試しいただいたうえで、今ある枕で眠ってみてください。

枕が合わないのは、首まわりの筋肉骨格バランスの乱れによる筋肉の硬直ではないかという仮説を検証することにりますし、ご自身の首まわりの状態をより深く知るきっかけになるかもしれません。

私の枕が合わない理由の分析結果が、必ずしもあなたに当てはまるものではありませんが、試すことで別の原因が見つかるかもしれません。その一助となれば幸いだと思っています。